20120226

WIZDOM レクチャーシリーズ - vol.2

WIZDOMのレクチャーシリーズで講演したので、その内容についてここでも簡単にまとめておく。

今回は「知識ゼロからのArduino」と謳っているが、内容のほとんどはEagleの使い方とfusion PCBでの発注方法について説明するものであった。本当であれば前回の(1)と一緒に説明する内容だったのだが、はんだごてでの作業に思いの外時間がかかったために、内容を2分割することになったわけだ。

さて今回の目的は、前回のレクチャーで作成した環境計測用センサ(温度と照度のみ)を、今度はEagleで回路図を作成してfusion PCBに発注し(て、よりはんだ付け作業を簡便化し)ようというものだ。したがって、前回作成した手はんだ基板の回路を見直すところからはじめた。

慣れないうちはいきなりEagleで回路を設計するのではなく、電気的にどことどこが等価なのかを確認しながら、まずはフリーハンドで回路図を書いてみることが必要だと思っている。その上で、Eagle上にその回路を書き写し、必要な寸法に収まるようにレイアウトを考えてゆくのが、まぁオーソドックスな手順なのではないか。

Eagleはその使い方に関する文献(文字通りの活字媒体)が無いので、こんなごくごく簡単な内容のレクチャーでも、そのハードルを下げるのに十分役立つのではないかと思われる。とにかく、ごくごく簡単な回路でいいので一度Eagleで書いてみて、基本的な操作を身につければその先はすぐに拓けることだろう。

Eagleは基本的に英語のインターフェースなのと、微妙な操作性とから、初心者にはなかなか取っつきづらいソフトウェアだと思う。そういった意味で、Adobeのイラストレータなどはショートカットも充実していてかなり使いやすい部類だと思う。イラレの操作性を期待してEagleをいじるとかなり凹むことになるだろう。

それでもひとたび手順さえ理解してしまえば、オペレーション自体のハードルはそんなに高くはなかったことにすぐ気がつくことだろう。問題は、さまざまある部品ライブラリの中から自分に必要なものを見つけられるかということと、回路設計そのものへの理解が足りているかということのほうが、より重要な問題であることに気づくはずだ(これはイラレでいえば、オペレーションへの習熟よりも作家性の方が最終的には重要ということと同じ)。作家性はオペレーションの習熟とともに育つとするならば、とにかく最初の一歩を踏み出すだめの今回のようなレクチャーは、それなりに意義があると言えるだろう。