20130508

Archiduino Project - vol.23

建築系におけるArduino利用計画としての「Archiduino Project」。

これまでのセンサーモジュールはACアダプタから給電することとしていたのだが、今回紹介するのはUSBコネクタ(Type-Aのオス)からの給電で作動するバリエーションである。そもそもAC駆動としていたのは、Archiduinoにおけるセンサーモジュールが、基本的にはスケッチの更新もなく、一度設置したらあとは淡々とセンシングしてくれればいいだけのものであったことから、住宅などの建築内部で電源を得やすいACアダプタ駆動としたという経緯がある。これのデメリットとしては、ACアダプタの大きさとコストであった。これまでは、ACアダプタとArchiduinoとを3Dプリンタで出力したスケルトンで連結する設置方法をとっていたが、これは確かにちょっと不格好であった。その上、ACアダプタのケーブル長さを調整する加工が必要なので、これもまた一手間であった。このようないくつかの問題に対して解決策を模索することとなった。

その解決策のひとつが、今回のシリーズである。短辺32[mm]、長辺49[mm]という基板がベースとなっており、そこにセンサー類を載せたシールドがピンヘッダで連結されている。外装として3Dプリンタで出力したスケルトンを用意し、2枚のPCBでこれを挟む形で連結し、固定している。シールド側に載せられるセンサーは、昨年WIZDOMの活動で用意したモジュールの構成を再利用したので、加速度、照度、温度もしくは温湿度、人感センサである。XBeeによりArchiduino HUBにデータは随時転送され、サーバに記録される。

センサーモジュール側で動いているスケッチは、センサーから得た数値をXBeeでハブ側ノードに3秒おきに転送するというだけのものだが、ハブ側で使用しているXBeeモジュールの16ビットアドレスを設定するだけで、それ以外の設定は何一つすることはない(センサーモジュール側のID設定などもしなくてよい)という簡単設計である。センサーモジュール側の個体識別は、センサーモジュール側のXBee16ビットアドレスにより行うこととしてある。

本体側の基板は、USB給電としたので5[V]・500[mA]のレギュレータを廃止することができ、基板面にゆとりができた。3.3[V]レギュレータは、いままでのような基板に垂直に立つものではなく、表面実装型に変更してある。なるべく無駄な部品を省くこととしているので、スケッチの転送にはSparkfunなどが販売しているUSB to SerialのBreakout boardを使う必要がある。もっとも、これは以前と変わらない点ではある。

USBコネクタとした点については、住宅内で電源が確保しづらくなるのではないかという懸念もあるが、最近はスマートフォン用として販売されているUSB-AC変換アダプタがACアダプタよりも低価格で手に入るのと、延長コードの先にUSBコネクタがあるものも販売されているので、これを使えばよいということで解決した。ちなみに今回の基板が横幅32[mm]としたのは、もちろんXBeeモジュールなどの部品寸法の関係もあるが、無印良品のジョイントタップの幅とそろえたというのも、その理由のひとつである。

最後に、今回の基板はかなりアクロバティックな部品の使い方をしている。USBのオス端子は通常、基板に対して垂直に立てられないパーツであるが、ランドの形状と端子のピンの加工によってこれを可能にしている。本来は垂直に立てられるパーツを用いるべきなのだが、調べた限りにおいてはそのようなパーツは存在しないらしい。