MakerBotのThing-o-Maticを2011年9月に購入したのだが、その後なにかと時間と余裕がなくて、組み立ての途中で放置してしまっていたのをあわてて組み上げることにした。ということで、今回はThing-o-Maticについての簡単なレポート(備忘録)を掲載してみたい。今回は組み上がりまでのレポートである。
まず購入手続きについて。本家サイトからクレジットカード決済で購入。手元に届くまで約一ヶ月と聞いていたが、実際にはそこまで時間はかからなかった。購入時に特に意識しなかったが、今回購入したのは「MK6」のものだった。これを書いている時点で「MK7」が出ているので、これから購入する際は自分が購入しようとするバージョンがいくつのものかを確認した方がいい。バージョンによって出ている情報が異なる場合がある。ちなみにABS樹脂フィラメントも同時に購入しておいた方がいいだろう。
段ボール箱にすべての部品が梱包されて届く。思っていた以上に大きな箱で届く。電子部品関係はある程度のまとまりで小袋に分けられているが、ネジとベニヤ、アクリルなどはすべてまとめられている。特にネジは数種類の長さの物を使用するのだが、それらがひとつの袋に入っているため、作業中により分ける必要があって面倒だ。ベニヤ部品の中に、ネジの長さと太さに関するイラスト付きの一覧が印刷されたものがあるのだが、私はその存在を組み立て工程の最後の最後まで気がつかなかったので、作業中は非常に不便を強いられた。部品の欠品はなかったが、ナットの数については余分を見込んではいないらしく、私の場合は最後の底面パーツの組み上げに必要なナットが足りなくなってしまったので、構造上必要のない箇所のパーツを外してそこに回す必要があった。パーツが梱包されている場所がわかりづらかったのは熱電対で、白いパラフィン紙に包まれているのだが、これは本家サイトにも注意書きがあったものの見つけづらいものであった。
組み立てに関しては、基本的には本家サイトに掲載されている方法をたどればよい。バージョンの違いで途中分岐するので要注意だ。基本的にはひたすらボルトを回す作業が待っている。レンチは親切にも各種サイズが同梱されているので購入する必要はない。レーザーカットされたベニヤの断面は黒く煤けており、作業中に手が真っ黒になる。また、可動部分のシャフトが潤滑油でヌルヌルで、これもまた手が汚れる。
組み立てで困った点はあまりなかったが、強いていえば、コンベヤに2本の軸を通してこれを台に固定する箇所の長さがジャストサイズで作られているのでギッチギチなこと、本体底面部に格納されるマザーボード部分の配線がごちゃごちゃっとして収納しづらいこと、くらいか。マザーボードに対して、1本のリボンケーブルを適当な長さに切って配線する箇所については、あまり余裕のある長さではないので長さを確かめながら切る必要があるだろう。配線は手順書にあるが、全体を一覧できる資料としてはこの図が便利であった。所要時間は合計で30時間もあれば十分ではないだろうか。本家以外に参考にしたサイトはこちら。
すべてが組み上がってからの作業がまたひと山。モーターの電圧調整は面倒だが手引きにあるとおり実施したほうがいいだろう。テスターは必須だ。Pythonをインストールしたり、ToMで実際にモデルを出力するためのソフトウェアであるReplicatorGを入れたり、マザーボードのファームウェアをアップデートするなどといった作業を機械的にこなす。ちょっと手数が多いので面倒だが、我慢してやろう。ReplicatorGをインストールし、USBでToMに接続すればいよいよ動作目前である。