20101007

Archiduino Project - vol.10

建築系におけるArduino利用計画としての「Archiduino Project」。

この記事は過去の記事の再編集である。

ガリレオ7で売っている「Wattmeter」をようやく実装した。写真には搭載していないが、XBeeチップを直接シールドに実装でき、全体的にコンパクトに収まる仕様になっている。

配電盤の赤と黒のケーブルにU_RD社のクランプ型電流センサーを咬ませて計測を行う。扇風機とエアコン、冷蔵庫を稼働している状態で約10A程度の電流が流れていることがArduinoIDEに流れるシリアル出力の値からわかる。100Vの交流電源であるから、この状態でおよそ1000Wの電力を消費している事が推測できる。

この設置にあわせ、室温の変化を捉えながらある一定の温度に達した場合にエアコンのスイッチを入れるアクチュエータノード(Archiduino Project - vol.8参照)も一緒に稼働させた。ある暖かな日の室温と電力の推移を右記のグラフに示す。

ぎざぎざに推移するのがおそらく冷蔵庫であろう。グラフの右端で突発的に跳ね上がっているのはおそらくドライヤーによるものだ。また、後半の数値を底上げしているのは室内の照明や音響機器によるものではないかと考えられる。

さて、ここでは室温が33度を超えたとき(実際にはArduino自体の発熱を拾ってしまっているのでもう少し低い値であると考えられる)にエアコンのスイッチを入れ、30度を下回ったときにスイッチを切るという設定にしている。そのあたりのこともvol.8で書いた。

いうまでもないが、スイッチが入ると同時に電力も増加し、スイッチが切れると同時に電力が減少する様子が伺える。グラフに掲載している期間(約17時間)の消費電力は約3(kWh)であった。

今回は居室に人がいないときにもエアコンをつけるという操作を行ったわけであるが、これはあまりスマートな方法ではないだろう。今度は居室に人がいるかどうかを判別した上で操作を行うように変更してみたい。また一方で、現在の実装は16度に設定した冷たい空気で空調するようにしているが、25度くらいの設定温度でやんわり空調するような方法にした方が、居室にいる人の心理的な影響を考えれば、そちらのほうがよりよいのではないかと考えている。

さらに可能ならば、屋外から帰宅したときは一気に冷やし、在室状態が続いていたときは緩やかに冷ますとか、一般の空調にはちょっと真似のできない「コンテクスト・アウェア」なアクチュエーションまで実装できたら、文句はないな。